ゲートキーパーについて


 ゲートキーパーになるための特別な資格はありません。
地域のかかりつけの医師や保健師などをはじめ、行政や関係機関などの相談窓口、民生委員・児童委員や保健推進委員、ボランティア、家族や同僚、友人といった様々な立場の人たちがゲートキーパーの役割を担うことが可能です。
 話しをよく聞き、一緒に考えてくれるゲートキーパーがいることは、悩んでいる人の孤立を防ぎ、安心を与えます。

ゲートキーパーの心得


リスク評価

 自殺の方法について計画を練っているか、実行する手段を有しているか、過去に自殺未遂をしたことがあるか、を評価しましょう。
「消えてしまいたいと思っていますか?」「死にたいと思っていますか?」とはっきりと尋ねてみることが大切です。

判断・批評せずに聴く

 どんな気持ちなのか話してもらうようにしましょう。
責めたり弱い人だと決めつけたりせずに聞きましょう。
この問題は弱さや怠惰からくるものではないことを理解しましょう。
温かみのある雰囲気で対応しましょう。

安心・情報を与える

 現在の問題は、弱さや性格の問題ではなく、医療や生活支援の必要な状態であること、決して珍しい状態ではないことを伝えましょう。適切な支援で良くなる可能性があることも伝えましょう。

サポートを得るように勧める

 医療機関や関係機関に相談するように勧めてみましょう。
一方的に説得するのではなく、相手の気持ちも踏まえて、「専門家に今抱えている問題を相談してみませんか」といった提案をすると、相談の抵抗感を減ずるかもしれません。一緒に相談に行こうと進めることも安心につながります。

 アルコールをやめる、軽い運動をする、リラクゼーション法(ゆっくりと呼吸をする、力を抜く等)などを行うことによって、メンタルヘルスの問題による症状が緩和されることがあります。家族などの身近な人に相談をすることや、自分に合う対処法を勧めてみたりするのもよいかもしれません。

※メンタルヘルスファーストエイドは、メンタルヘルスの問題を有する人に対して、適切な初期支援を行うための5つのステップからなる行動計画で、オーストラリアのBetty KichenerとAnthony Jormにより開発されたものです。


〜「ゲートキーパー手帳」第二版(平成24年3月作成)より抜粋〜
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